Ep.1.5『みんなを待つ。』
約束の時間まで30分ほど時間があったので、スタジオの近くで缶ビールを流し込む。間食を我慢した空っぽの胃には少々刺激が強いのだが、空腹時特有の喉越しがクセになっているのでやめられない。ビールの水面がちょうど缶を持つ指のあたりまで下がった頃、だいたい酔いは始まる。 暇つぶしにスマホを弄りたいが、左手には鞄が、右手には缶ビールを携えている。イヤフォンをカチカチっとして曲を変えるのも億劫だというのに、わざわざビールを左手に持ち替えてまでスマホをいじる気にはならない。床に鞄は置きたくない性分だ。 こうなると向かってくる人影をみて、「おっ、来たかな?」というワクワクを繰り返すほか無くなってしまう。しかしながらこんな遊びも5分ほどで飽きてしまって。なにしろ下北沢には楽器を背負ってる人が多いので、ワクワクを爆速で消耗してしまう。「おっ、来たかな?」が多すぎるのである。 少しペースを落として楽器ケースと人体が重なった影を追っかけていると、雰囲気のあるロン毛の外国人が視界に飛び込んできた。 1番乗りはダニエルだった。 僕のバンドメンバーは相変わらずワールドワイドな時間感覚を持った奴らであった。(田中、鈴木、中村) 次回、『上手すぎるだろ、ダニエル🇨🇴』










